感染症に関わる仕事をしている看護師からは、抗体検査とPCR検査を混同している患者が多いという意見が挙がります。感染症の検査に関する知識が浅い患者に対して、看護師はどのような説明をすればいいのでしょうか。

まず、ウイルスが人間の体内に侵入すると、抗体と呼ばれているタンパク質がウイルスを攻撃し、健康を維持しようとします。このタンパク質の有無を、血液から確認するのが抗体検査です。一方、PCR検査は、患者の鼻水や唾液からウイルスの有無を調べます。

次は、検査結果が出るまでの時間について言及しましょう。PCR検査は、採取した鼻水や唾液に含まれている遺伝物質を増殖させて調べる手法なので、検査結果が判明するまでに5時間ほど要します。

また、それらを採取する際に患者がくしゃみや咳をすると、検査する医療従事者が罹患するリスクが出てしまいかねません。そのため、専用の設備を整える必要性があるうえ、一度に検査できる患者数が限られてしまうのがPCR検査の特徴です。

これに対し、抗体検査は結果がわかるまでに1時間もかかりません。血液も採取しやすく、医療従事者が多ければ多いほど、検査数を増やせます。そして、体内に抗体ができるのは、感染症に罹患してから数日間かかることも説明の際に補足しましょう。

このように、検査する際には患者から採取するものが異なること、そして検査結果が出るまでに要する時間についての説明を最初に伝えておくのです。そうすれば、患者の理解がより深まります。

この他にも、感染症に関わる仕事をしている看護師には、さまざまなスキルが求められるでしょう。その一例が感染症と戦う看護師にまとめられているので、ひとまず読んでみることをおすすめします。